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の収入は、全世帯平均収入の64%くらいであったが、1985年には全世帯平均収入の48%に下がった。これは、高齢者家庭の収入が比較的低いことを示すばかりでなく、段々と悪化していることも表わしている。
それゆえ、台湾の高齢者の半数以上が、子供たちの仕送りによって生活している。この比率は1986年の65.8%から1993年の52.3%に減ったが、依然として一番重要な収入源である(表2−9を参照)。本人の稼働所得や恩給に頼る人の比率も少し減ったが、貯蓄に頼る人の比率が増えたことは、経済発展に伴った現象と受け取れる。
また、この生活費の収入源は、教育程度によってある程度の差がある。教育程度が低いほど、子供たちの仕送りに頼る比率が高く、教育程度が高いほど恩給で生活する人の比率が高い(表2−10を参照)。面白いことに、貯蓄に頼る人の比率は、教育程度に反比例する。これは、恩給制度が主に教育程度の高い官吏や会社役員等に限られるため、労働階級退職者の生活費は、貯蓄や子供たちに頼らなければならないことを表わす。また、国民所得の分配は、かなり均等化されているため、貧困で社会扶助を受けている者の比率は、2%未満である。これは、反面、社会扶助の制度が不十分であることを反映しているとも言える。

表2−10 高齢者の教育程度別最近三か月間生活費収入源*、1993年 (%)

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*収入源の1位、2位等にウエイトを掛けて計算した結果による。
資料:表2−6と同じ。

 

 

 

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